難問
狂った村人たちに囲まれ、僕らは谷底の廃校に立てこもっていた。食料も尽き、包囲網を突破することもできない絶望的な状況だった。
その深夜、校舎の窓から一羽の伝書鳩が迷い込んできた。
鳩の足の筒を開けると、手紙などは入っておらず、ただ『完全に乾燥した、特有の模様を持つ川底の小石』が一つだけ入っていた。
それを見たリーダーは、不気味に笑った。
翌朝、リーダーは残った食料をすべて校舎に残し、全員で裏の崖を登って山頂を目指すよう指示した。
村人たちは僕らを追うことなく、放置された食料を貪るために校舎へとなだれ込んでいった。
そして3日後、僕らは生還し、村人たちは全員消えていた。
#サイコホラー#サスペンス#意味怖
投稿者: kuboshiori
標準
男は雨が降る日の通勤時、いつも骨が折れてボロボロになった、絶対に開かない傘を手にしていました。
ある大雨の日の退勤時、一人の同僚が男の隣に並び、自分の傘を開きながら静かに声をかけました。
「その傘、壊れて使えないですよね。もしよかったら、駅まで一緒に帰りませんか?」
男は嬉しそうに微笑みました。そして、手に持っていたボロボロの傘を躊躇なくゴミ箱へ投げ捨てると、彼女の傘の中へと入っていきました。
#サイコホラー#意味怖#サスペンス
投稿者: kuboshiori
標準
極めて厳格な指導で知られる家庭教師の男は、教え子のテスト用紙を見つめていた。それは、全25問の4択問題で構成された、非常に難度の高いテストだった。採点を終えると、点数は『0点』。一問も合っていなかった。しかし男は激怒するどころか、静かに涙を流して喜び、その日の夜、教え子をもてなすための高級レストランを予約した。
#サイコホラー#サスペンス#意味怖
投稿者: kuboshiori
標準
ある閉ざされた山村の古い石碑には、こう刻まれていた。
『竜神息吹けば、毒は地に淀む。人は天へと昇るべし』
ある夕暮れ、百年間枯れていた井戸から突如として不気味な『白い霧』が湧き出した。村長は『竜神様がお怒りだ!』と叫び、鑼(どら)を打ち鳴らして村人たちを率いて山の上へと逃げた。
しかし、神仏など信じない数人の若者たちは、村長が騒ぎ立てているだけだと冷笑し、財産を守るために村に残り続けた。
数時間後、山頂に逃げた村人たちは全員無事だったが、村に残った若者たちは、一人残らず自宅で静かに息絶えていた。彼らには外傷もなく、争った形跡すら一切なかったという。
#悲劇#意味怖#オカルト
投稿者: kuboshiori
難問
何度も刃物を持った暴漢に襲われながら、いつも無傷で生き延びた男がいた。
男はいつも、刃すらない、黒くて重い一本の鉄の棒を持ち歩いていた。
ある日、男からその鉄の棒を盗み出すことに成功した泥棒は、かねてより憎んでいた仇の寝室に忍び込んだ。
眠る仇の頭上へ、その鉄の棒を大きく振り上げた瞬間。
静まり返った寝室にけたたましい金属音が響き渡り、仇は目を覚ました。
泥棒は相手の服すら切り裂くことができず、その場で取り押さえられた。
#サスペンス#意味怖#都市伝説
投稿者: kuboshiori
難問
妻が死んで三年。男は、生前の彼女の日記や医療記録、検索履歴のすべてを学習させた最新のAI音声アシスタントを購入した。それは彼女の思考パターンと声を完璧に模倣していた。
よく晴れた日の午後、男は静かに尋ねた。
「もし、自分の命があと一分しかないと知っていたら、君は僕に何を言った?」
AIは少しの間を置いて、懐かしい妻の声で優しく囁いた。
「あなた、ベランダの洗濯物を取り込んで。雨が降りそうよ」
男は立ち上がり、ベランダへ向かった。外は雲一つない青空だった。
部屋に戻った男は、迷わずその高価な機械を叩き壊した。
それ以来、男を悩ませていた重いうつ病は嘘のように消え失せ、彼は穏やかな日常を取り戻した。
#サスペンス#悲劇#意味怖
投稿者: kuboshiori
標準
もう何体目になるでしょうか。私が奪った生体の命は。
自分の意思とは関係なく、操られるようにその頭部に一撃を加えると、激しく暴れていた生体はすぐに動かなくなりました。
躊躇うことなくトドメを刺すと、すでに血が染み込んだ丸太の上で、溢れ出た鮮血と水が混ざり合っていきます。
これだけで終わりではありません。私は横たわるその身体にぴったりと張り付き、皮膚が滑らかになるまで何度も擦りつけるのです。それから、その肉体を容赦なく細切れに刻んでいきます。
全身が血まみれになり、何度洗い流しても血の匂いは消えません。
それでも、この場所に漂う他の匂いは、決して不快なものではなく、むしろ私をうっとりさせるのでした。
#意味怖#叙述トリック#日常の狂気
投稿者: kuboshiori
難問
男が目を覚ますと、そこは頑丈な地下シェルターの中でした。
扉は固く閉ざされ、いくら叩いても反応はありません。
彼は諦めて部屋を見回しました。そこには温かみのある照明はなく、天井にある異常に眩しい赤色灯だけが、部屋全体を血のような赤色に染めています。
部屋の隅には古い冷蔵庫があり、メモが貼られていました。
【ルール】
一、壁の金庫に脱出用の鍵がある。暗証番号「8686」で開く。
二、冷蔵庫には、いつでも飲める安全な水が入っている。
三、黒いペンで書かれた警告だけを信じなさい。
※三つのルールのうち、少なくとも二つは真実です。
赤い光の下で男がメモを詳しく調べると、最下部に殴り書きされた黒い文字を見つけました。
「暗証番号5554は爆弾だ!絶対に押すな!本当の番号は8686だ!」
男は冷静に考えました。これは先に入った被害者が残した救命のメッセージに違いない。ルールに照らし合わせても、信じるべき暗証番号は8686のはずです。
男は意を決して金庫の前に立ち、暗証番号「8686」を入力しました。
次の瞬間、大爆発が起こり、男の体は木端微塵になりました。
男が死の間際に抱いた最後の疑問は、「もし5554を入力していたら、助かったのだろうか?」というものでした。
#サイコホラー#サスペンス#悲劇
投稿者: kuboshiori