虚無の『0』
問題文
深夜、オフィスビルで残業を終え、地下駐車場に向かうためエレベーターに乗った。
『-3』を押して開いた扉の先は、鬱蒼とした原始の森だった。
慌てて扉を閉め、今度は『1』を押すと、見たこともない古い時代の市場が広がっていた。
元の世界に帰るため、様々な階数のボタンを押し続けた。
ある階で扉が開いたとき、若い男女が初めてのデートをしているのが見えた。
その二人の顔に見覚えがあった。嬉しくなってエレベーターを降り、二人に話しかけ、男に一本のタバコを手渡した。
エレベーターに戻ると、すべての行き先ボタンが消えていた。
残されたのは、ただ一つ。『0』とだけ書かれたボタンだった。
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