八日目の神
問題文
祖父の遺品整理の際、厳重に密閉されたガラス瓶を見つけた。
ラベルには飾り文字で『八日目』とだけ書かれている。
添えられていた手引書には、掠れた文字でこう記されていた。
「七体の泥人形を羊水に沈め、栓を完全に塞ぐこと。神の作業を妨げてはならない」
三日目、澄んでいたはずの液体はドス黒い赤色に濁り、激しく攪拌されたかのように泡立っていた。内壁には、爪の剥がれ殻のような薄い破片がいくつも張り付いている。
七日目、赤い澱みが沈殿し、液体は再び元の透明さに戻った。しかし、七体あった泥人形は跡形もなく消えている。
代わりに、瓶の底の中央に『それ』が座っていた。
土のざらついた質感は消え失せ、まるで濡れた赤ん坊のような、不気味なほど生々しい肉色の光沢を放っている。
ルーペを近づけ、その五官を確かめようとした。
視線を感じたのか、『それ』はゆっくりと顔を上げた。未完成の皮膚に覆われた顔の真ん中に、耳まで裂けた巨大な口が開く。
ガラス越しに私を見つめたまま、『それ』は小さくゲップをした。
その喉から、泥人形의腕によく似た灰色の細い塊がずるりと滑り出る。
『それ』は慌てて、それを小さな手で口の奥へと押し戻した。
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