朱い簪

作者: kuboshiori · 難易度: 難問 · 評価: 7.0
#意味怖#洒落怖#和風ホラー#悲劇#オカルト

問題文

祖母が亡くなった夜、通夜の席に、場違いなほど鮮やかな「赤い振袖」を着た若い女が現れ、祭壇の前で一晩中佇んでいた。 翌日の野辺送り。この地方の古い因習に従い、八人の男たちで重い棺を担ぐことになったのだが、その女も棺の最後尾に手を添えた。男たちが汗だくで喘ぐ中、彼女だけは息一つ乱さず、涼しい顔で棺を支えていた。 埋葬の際、女は墓前に血のように赤い「朱塗りの簪」をそっと手向けた。 私が「あの人は誰?」と尋ねると、母は顔を青ざめさせ、私の口を強く塞いで囁いた。 「……あれは、おばあちゃんの若い頃の姿だよ」 しかし、亡くなった祖母は八十三歳で、その女は二十歳そこ十分にしか見えなかった。 後日、祖母の遺品を整理していると、一枚の古びた写真が出てきた。そこには、赤い振袖を着て見知らぬ墓の前に立つ、若き日の祖母の姿と、墓石の上に置かれた、あの「朱塗りの簪」が写っていた。
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