透き通る抜け殻
問題文
骨を削られ、肉を剥がれ、ただの抜け殻となった私。
薬液に浸され、彫刻刀で臓腑を抉り取られたが、あの死んだ娘と同じ美しい顔を与えられた。
あの男は私のこの体をひどく気に入り、芝居が終わるといつも手元に引き寄せて弄んでいた。
彼は自分が握っているのが、私の生殺与奪を握る「胴串」だと思い込んでいた。
だが、幕の裏で震える手が、最も鋭利な刃を自分の喉元へ突き出そうとしていることには気づかなかった。
その瞬間、舞台の三味線と太夫の声が、耳を劈くほど激しく鳴り響いた。
父が奏でていたのは『曽根崎心中』ではない。
死者だけが聴く、あの世への引導だったのだ。
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