二度と戻らない君へ
問題文
私は狭い場所に暮らしており、そこを訪れる者を「アレ」のもとへ送り届けるのが役目だ。
私は、彼が何度も何度も命を落とすのを見届けた。そしてその度に、彼は何事もなかったかのように私の前に戻ってきた。
「あそこへ行ってはならない」「どうか気をつけて」と、私は数え切れないほど彼を引き留め、忠告した。しかし最後には、いつも私の手で「アレ」のいる場所への道を指し示してしまうのだ。
私はここから動くことができない。大した手助けもできず、ただ同じ言葉を繰り返すことしか許されていない。
やがて、彼はついに「アレ」に打ち勝ち、振り返ることもなくこの場所を去っていった。
私は嬉しかった。だが、同時に少しだけ寂しかった。
彼はもう二度と、私の前に戻ってくることはないのだから。
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