ひばり公園の遺失物
問題文
ひばり市民公園は、市内最古の公園だ。
あの日、私は5歳の娘を連れて遊びに来ていた。目を離したわずか10分の間に、娘は消えた。
園内の古びた看板には、奇妙な『注意事項』が書かれていた。
『白い服の人物に道を聞かれたら、出口を指してすぐに立ち去ること』
『この公園に4つ目の橋は存在しない。もし見えても渡ってはならない』
『閉園後、名前を呼ばれても決して返事をしてはならない』
必死に娘を探す私は、白い服の女に道を尋ね、彼女が指した『3つ目の橋』へと向かった。
そこで、私は後ろ姿の娘を見つけ、強く抱きしめた。
しかし、ふと見下ろした静かな湖面には、娘の隣で、こちらをじっと見上げる『もう一人の私』が映っていた。
娘は無表情に囁いた。『お父さん、もうここに残る時間だよ』
背後を振り返ると、来たはずの道は消起し、もう一つの橋の上から『私』が歩いてくる。
パニックになった私は、拾ったメモの指示に従い、冷たい湖へと飛び込んだ。必死に泳いで対岸へ這い上がった。
……私は、泳げないはずなのに。
安堵して自分の体を見下ろした瞬間、心臓が凍りついた。
私の服は、真っ白になっていた。
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