明日がいらない君へ

作者: kuboshiori · 難易度: 難問 · 評価: 7.0
#サイコホラー#サスペンス#オカルト#悲劇#意味怖

問題文

庭には眩しい夏の陽光が降り注ぎ、蝉の声が騒がしく響いている。 「お姉ちゃん、今日の絵日記、何を書けばいい? ずっとここに寝たままだから、新学期に間に合わないよ」 薄暗い部屋で、厚い布団にくるまった病気の弟が、私が運んだ温かいスープを飲み干し、不安そうに尋ねてくる。 「大丈夫よ、急がなくていいの」 私は弟の首元までしっかりと布団をかけ直し、優しく微笑みかけた。 「ミコガミ様にお祈りすれば、この夏休みは永遠に終わらないから」 満足そうに目を閉じる弟を見て、愛おしさがこみ上げてくる。 部屋を出て、廊下の鏡で身だしなみを整える。 「それにしても、最近蚊が多くて困るわ。もう何十箇所も刺されてる」 痒む首元を少し掻きむしり、壁のカレンダーを一枚破り捨てた。 破られた紙の裏から現れた真新しい1ページには、こう記されている。 ――8月1日。夏休みが始まる、最初の日だ。
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