チリ・チリ・ボムが聞こえる森
問題文
ある国境沿いの寂れた村には、不気味な噂があった。
夜、子供が一人で寝ていると、いつの間にか消えてしまうという。
ある日、一人で寝ていたにもかかわらず、無事だった少年がこう語った。
「すごく怖い顔のおばあちゃんが来て、森に入ったか聞かれたの。“入ってない”って答えたら、綺麗な魔法のクリスタルと、チョコレートをくれたよ」
村を訪れた旅人のポドーリは、その話に興味を持ち、ある子供の部屋に潜んで様子を見ることにした。
何夜目かの夜。暗闇の中、彼はついに『それ』を目撃する。
怯える子供に何かを囁いたあと、怪物は子供を抱え、静かに夜の森へと消えていった。
ポドーリもまた、その背後を追って森へと入っていった。
それきり、旅人が戻ることはなかった。
後日、警察が国境の森で見つけたのは、ロシア語で彼の名が刻まれた石板と、冷たい風の中でひたすらロシアの不気味な子守唄『チリ・チリ・ボム』を流し続ける、一台の古いテープレコーダーだけだった。
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